陶芸用語 



【あ 行】
・藍絵鍋島(あいなべしま)
肥前(佐賀県)大河内窯産の藍色の釉で絵付をした陶磁器 藍絵は染付と同様の下絵付です。
・相川焼 (あいかわやき)
佐渡焼、金太郎焼(きんたろうやき)ともいい。新潟県佐渡郡相川町で生産される陶器で 黒沢金太郎が寛永年間(1624-44)に開窯。以後5代明治4年で廃窯となり、 相川焼から分かれたものに無名異焼、雲山焼、常山焼などがあります。
・会津焼(あいずやき)
本郷焼とも呼ぶ。 会津若松市の西南、現在の会津本郷町を中心に産する陶磁器の総称。 会津焼の起源は美濃の陶工水野源左衛門が正保四年(1647)藩命で茶碗・水指・花入・ 等を焼いたのにはじまる。この窯の全盛期は江戸時代の末期からで東北地方の焼物の 一大中心地となっていくのであるが、その特色は素地藍の染付による形と装飾に丹精 をこめられたものであった。 作品は日用雑記が主で特に徳利類の遺作が多く、多彩な首、肩そして腰の装飾によって きわだったものになっている。 腰部は主題の絵のすぐ下から糸底のところまで装飾が施されている。 肩と首は比較的高いところまで装飾がつけられ標準的な様式の幾何学的に単純化した模様が 施されている。 寛政年間(1789〜1801)新たに磁器がはじまり、 創業者佐藤伊兵衛は安永年間(1772〜81)より志戸呂・常滑・瀬戸・信楽・清水・栗田・志度 ・有田・萩・伊部などの諸窯を遍歴して技法を探った後、肥前皿山風の窯を築き、白磁の製作に成功した。 会津焼の製品は明治以後は急須・土瓶などの袋物が発達し肥前三川内風の優品を産出している。
 
・青井戸茶碗(あおいどちゃわん)
高麗茶碗の一種。大井戸(名物手)や小井戸に比べ、素地の鉄分が多く 褐色で、焼成が還元気味なので釉薬が青みを帯び、全体に蒼苔色(あおのり)のものが 多いのでこの名がある。 しかし大井戸そっくりの 批杷色 びわいろ のもの、青色と赤味との片身替わりのものなども 時にはある。 むしろ特徴はすべてひらいた茶碗で、一箆で高台脇をいきおいよくとってある 器形にあるといえる。青色の釉は厚めで光沢がなく、失透ぎみで柔らかく、おおむね貫入がない。 土見ずの総釉、 梅花皮 かいらぎ や目もあり轆轤目も見られる。 作風も大井戸に似ているが、焼成火度はより低く、作行きも厚手で鈍く下手である。 形は大体小振りで、侘びた趣きが特色である。また見込みの目跡、火変りなども 見所として夫々喜ばれる景色である。 産地は慶尚南道梁山説、産陽説、東莢説などがある。 名物として、雲井・宝樹庵・こだん・涼及・柴田などが著名である。
・青織部(あおおりべ)
織部焼きの一種。 青織部には器の表面全体に青緑色釉 (銅緑釉)を掛けたものと、器の一部に片身替わりに青緑色釉を 掛けたものの二種ある。 前者は総織部とも呼ばれている。総織部の場合、 釉下に線刻文や印花文のあるもの、浮き彫り(貼付)あるいは透かし彫り などの技法で人物・草花を絵模様風にあらわしたものが多い。 後者の片身替わりのものは、青緑色釉を掛けない部分に灰白色釉を施し 釉下に大胆な絵や模様を黒褐色の鉄砂で描く。これは、いわゆる織部と呼ばれる 陶器の代表的な作風である。 青緑色釉の発色をさらに冴えさせるために二種類の土を継ぎ合わせる技法の ものもある。また型物には布目のある物があり、この布目がまた一つの 装飾となっている。青織部の器物としては向付・鉢・徳利類が多い。
・青九谷(あおくたに)
九谷焼の一種。 幕末の文久年間(1861-4)以降明治期に焼かれた。 明治以後の輸入顔料(洋薬)を使用した赤絵九谷に対して、 三百余年前、中国の陶工が伝えた赤・紫・緑・紺青・黄・の五彩釉 (和薬)で彩色されたものを青九谷と呼ぶ。 見所として古九谷風の豪放な絵付があげられる。 なお青九谷は古九谷のの中の青手古九谷や吉田屋窯の作品、 さらに青粒および九谷の染付物とは区別される。
 
・青苔(あおごけ)
小堀遠州作茶杓の名。
 
・青呉須(あおごす)
呉須青絵ともいう。 粗雑な白磁に簡素な青の上絵付があるもの。 クロム緑を指して青呉須ともいう。
・青蕎麦(あおそば)
中国磁器の釉色である。 茶葉末児の我が国での呼称。 彩料は鉄質珪酸塩で、その結晶作用により渋みのある緑色を帯びた発色をする。
・青粒(あおちぶ)
大正年間に流行した九谷焼絵付の名称。 西洋の輸入絵具の緑色の上に暗緑色の盛絵具で密集した細かい点を 描いて装飾とする手法。
・青手古九谷(あおでこくたに)
古九谷の一種。 緑釉を多く用いて赤を使用しないことからこう呼ばれる。 緑・黄・紫の三彩古九谷、緑・黄のニ彩古九谷がある。 素地も良質の磁石を使用したものと鉄分の多いやや質の悪い素地のものの 二手がある。交趾古九谷・ペルシャ手九谷ともいわれる。 また白抜きが珍重される。
・青備前(あおびぜん)
別名:青焼、青伊部といい還元焼成した場合土に含有する鉄分が上品な青い様な色を発色する。明和(1764-1772)から寛政年間(1789-1801)にかけて 最も優れたい免品をだし風流な趣のあるものが多い、旧式の大穴窯時代に作りだされたもので土は備前の土と変わらないが土の含有鉄分が 還元焔されるとでる色であるが、近年大窯が廃止され登り窯になってからは青備前の珍種が出来なくなっています。
・粟生屋源右衛門(あおやげんえもん)
寛政三年-文久三年(1791-1863)。 近代九谷第一の名工と云われる。 加賀国小松(石川県小松市)の陶工粟生屋源兵衛の子。 若杉窯の本多貞吉に陶法を学び、文政五年(1822)に小松で製陶を始めた。 吉田屋窯・松山窯の主工でもあり、蓮代寺・吉竹村などに窯を開いた。 門下に松屋菊三郎・北市屋平吉・坂屋甚三郎・九谷庄三らがいる。 白釉上に諸色を用いて一種の楽焼風のものを始め、その巧妙な技術は独自のものであった。 硯箱・炉縁・机・重箱・箪笥など非常に精巧なものがあり、時に「東効」の押印のものがある。 生没年を寛政四年-安政五年(1792-1858)とする説もある。
・青楽(あおらく)
楽焼用の緑釉のこと。
・赤絵(あかえ)
赤を主張とする上絵つけをいいます。 赤絵の技法は本焼きした白い焼き物の上にガラス質透明性の上絵付けで 模様を描き、再び焼き上げる。普通赤色だけは他の絵具と異なり不透明で 層が薄い。赤は紅殻(酸化第二鉄)。緑は主として酸化銅で酸化クロム を配合する。黄は酸化鉄と鉛丹と白玉を混合する。 紫は酸化マンガン。藍は酸化コバルトを用いる。上絵具で模様を描き、 低火度(750〜850度)の赤絵窯(錦窯)で焼きつける。 赤絵はまず中国で発達した。泰和元年(1201年)銘の皿が中国河北省 で出土している。これらは宋赤絵と呼ばれ、明の時代になると万暦赤絵・ 天啓赤絵が現れ南京赤絵・呉須赤絵と引き継がれ清朝の康熙年代(1662-1722) には非常に上品な赤絵の康熙赤が発明された。日本の赤絵は正保(1644-8)の頃、 肥前国(佐賀県)南川原の柿右衛門の赤絵が最初とも、京都あるいは古九谷が先など 説はいろいろある。前者の説によると肥前の赤絵の製法は京都の仁清に伝わり、奥田 頴川が呉須赤絵を模作し、永楽、保全、道八に引き継がれた。又瀬戸の頴渓・犬山、 古万古・薩摩・湖東・安東・九谷飯田屋などでも赤絵が盛んに製作された。
 
・赤絵古九谷(あかえこくたに)
赤絵古九谷の一種。精緻な磁器の全面に赤だけで文様を描き、少し金彩、銀彩を加えたもの。 三彩・二彩の古九谷より時代も古く赤・緑・紫・紺青・黄色を使った五彩古九谷と大差のない時期のものと みられている。
・秋夜(あきのよ)
奥高麗茶碗の名。
・秋葉天目(あきばてんもく)
灰被天目(はいかつぎてんもく)MOA美術館所蔵。
・圧手盃(あっしゅはい)
端反り盃で手にした時盃の上部が手を圧するようなので圧手盃という。別名は押手盃、べつ、とも云う。
  
・穴窯・窖窯(あながま)
昔は山の斜面を掘り天井を構築したものや、トンネル状に掘り抜いたもので有ったが、現在では殆どが 耐火煉瓦を使用した単室の窯をいいます。特徴は窯変を取りやすく窯変等を望む作家向きで有るが、平均的に安定した 焼成で量産向きには難しい窯です。
  
・雨漏(あまもり)
 高麗茶碗の一種。茶碗の内外に雨の漏ったようなシミに似た模様があることからこの名があり、 茶人はシミ跡まで景色に見立てて賞賛した。 シミの模様は多く鼠色であるが中には紫がかかったものもある。雨漏には粉引茶碗に似た柔らかなものや、 柚質が磁器に類するか堅手のものもあり、これは雨漏堅手と呼ぶ。シミの成因は、窯の中で出来たものもあるが、 多くは使っているうちに、茶碗が釉薬の気泡に浸み込み自然にひろがったものである。
 
・編笠(あみがさ)
 茶碗の形が編笠のように歪んでいるもの。本来出来そこないの器であるが茶味があるので珍重され刷毛目茶碗に、 この形が多い。
 
・網の手(あみのて)
 網の模様のあるものの総称。 網干の模様のある染付けなども網の手という。
 
・飴釉(あめゆう)
 鉄分の酸化焼成により発色する飴色の釉薬をいう。
 
・飴粽(あめちまき)
 中央部が太く両端が細くなった掛け花入れの一種。
 
・荒練り(あらねり)
 成形の前に粘土に水を加え使う量を手で粘土の両端を中心へ折り込むようにもみ、最後に砲弾状にまとめる練り方をいう。
 
・炙り(あぶり)
 陶磁器を焼く場合、窯の焚きはじめに酸化焔で徐々に温度を上げ、800〜900℃まで窯の温度が一様に熱くなるように して土に含まれる水分や有機性の炭素や水素を追い出してユックリ焚くこと。
 
・鬼板(おにいた)
 尾張方面で多量に取れる一種の渇鉄鋼で鬼瓦に似ていて板状であるので鬼板または鬼石と呼ばれ色が赤いため赤絵とも呼ばれて釉薬(ゆうやく)や絵志野(えしの)の鉄絵(てつえ)に用いられる。
 
・鋳込み(いこみ)
石膏型に水で溶かした陶土を流し込む成型法で轆轤(ろくろ)成形では不可能な、複雑な形や薄手ものが可能と なります。 備前焼の作家物では殆ど手作りで使用しませんが、一部の業者では量産品向きとして使用される場合もあります。
 
・石はぜ(いしはぜ)
素地(きじ)に入っていた砂石が焼成後に弾けだし表面に現れて、 土の味わいが一つの景色(けしき)となったもの。
 
・五十鈴川焼(いすずかわやき)
三重県宇治山田市字新田(伊勢市)で製出された陶器。1910年(明治43年)に始められ常滑焼の森下杢ニが工人であった。 後には川を除いて五十鈴焼と呼んでいたらしい。
 
・伊勢崎淳(いせざき じゅん)
昭和11年2月20日生、伊勢崎陽山の次男で父、陽山に師事、昭和39年より日本伝統工芸展
に入選を重ねる。 第1回全日本伝統工芸選抜展出品、金重陶陽賞受賞、日本工芸会理事、
県無形文化財を経て平成16年備前焼5人目の人間国宝に。 備前焼代表作家
・出光佐三(いでみつさぞう)
(1885−1981)実業家、出光興産の前身出光商会を設立。 美術蒐集品をもとに出光美術館を開く。
  
 
・稲葉天目(いなばてんもく)
曜変天目 静嘉堂文庫美術館所蔵。
・今焼(いまやき)
古陶に対する新陶の意味。 茶の湯用語としては、唐物に対して国内で焼かれた楽焼きをさす。
桃山時代の茶会記に見える今焼茶碗は、長次郎の楽茶碗と云われている。
・イッチン
強靱な和紙を使って露斗形の筒を作りその中に泥奨を入れ、 その先端から絞り出して陶器の上に模様を描くための用具で 染め物の技法が陶器に応用された。
 
・糸切(いときり)
轆轤(ろくろ)で成形した後、外すのにより糸を使って切り離す。切り離す際できた渦巻き状の痕をいいます。 この渦巻きの方向が作行の見どころで、右回りのロクロでは渦の中心が右に寄り、右糸切(順糸切)といい、 左回りでは左糸切(逆糸切)となります。
 
・井戸茶碗
古来茶碗の首位とされ、高麗茶碗のなかでも珍重されている。大井戸、小井戸、青井戸などがある。
 
・糸底(いとぞこ)
糸尻(いとじり)ともいい、陶磁器の底のこと。轆轤(ろくろ)から糸で切り離した際に、底に残る糸切り痕からきています。 また糸切りによる底だけでなく、削りだした高台などもいいます。
 
・色絵備前(いろえびぜん)
彩色備前ともいい 、備前焼とは相反するもので、素焼に胡粉や顔料 等で彩色したもので備前藩の絵師と陶工の合作。
・伊万里焼(いまりやき)
佐賀県有田町で焼かれた磁器で製品の多くが伊万里港から出荷されたので、この名が ついた。
・印花(いんか)
乾燥前の素地(きじ)に、文様を彫りつけた印材を押し付けて表した文様。 型押模様、押印文ともいう。
・印刻・陰刻(いんこく)
彫り込むことで表された文様で装飾法の一つです。
・印判手(いんばんで)
 判や印刷によって文様を表現し、同模様の器を多量生産するために用いた装飾法です。
・伊部手(いんべで)
水簸された細かい土で作陶された作品の表面に黄土などの泥奨(でいしょう)を塗りつけて 焼かれたもので黒褐色や紫蘇色、黄褐色等の色となる独特の手法をいいます。
・印籠蓋(いんろうぶた)
印籠のように蓋と身とが平らに重なる被せ蓋を云います。
  
・伊部焼(いんべやき)
備前国(岡山県)和気郡伊部町のb器で鎌倉時代から伊部付近で 焼かれているところから伊部焼と云い、一般的に総称して備前焼を云います。
・浮き彫り(うきぼり)
図柄の周辺を彫って、図柄を表面から浮かび上がらせる装飾法です。
・烏盞(うさん)
中国産の焼き物で黒釉の浅い器。
・卯花墻(うのはながき)
桃山時代の志野茶碗の銘で国宝。
・姥口(うばぐち)
口の周辺の高く盛り上がった形状。
・上絵付(うわえつけ)
本焼きしたのちに低下度の色絵釉で絵付けしたもの。
・雲州蔵帳(うんしゅうくらちょう)
松平不味の蔵器帳で別名、雲州名物帳とも云う。
・大窯(おおがま)
桃山時代に穴窯(あながま)に変わり、室町後期に出現した半地上式の窯で最大の東窯では 全長54m、幅約5mに達し、国内でも最大規模の窯です。
参考:備前豆知識(南大窯跡)

・大黒(おおぐろ)
桃山時代 長次郎作黒楽茶碗の銘
・尾形乾山(おがたけんざん)
江戸時代前期から中期の京焼の陶工 別名に深省、尚古斎、紫翠、習静堂などの号を持つ。
・奥高麗(おくごうらい)
桃山時代の古唐津茶碗の一手。作為のないおおらかな姿が特色。
・鬼板(おにいた)
陶磁器の絵付けに用いる顔料の一種。瀬戸地方に多量に産出する褐鐵鉱で、鬼瓦にやや似た板状 なので、鬼板、鬼石と呼ばれ、志野、瀬戸、唐津などに使われている。
・織部黒(おりべくろ)
織部焼きの一手、瀬戸黒同様に引き出し黒であるが、黒釉の上に透明釉掛けたり箆目を加え沓形にするなど、造形状の 作為が目立ち模様のある黒織部とは別もの。
UP

メニュー


TOPに戻る


(最終更新日 2014.04.17)